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即断即決、スピード経営で注目されている婦人下着メーカートリンプの早朝会議「MS会議」が、本書でついに公開される。開始以来、低迷していた会社は立ち直り、シェア拡大と16年連続の増収増益をもたらしているという会議である。公開はライブ形式で、企業機密などの一部の省略、変更を加えつつも、進行全体をありのままに見せてくれる。その様子はじつにダイナミックである。 会議は、のっけから本題に突入する。テーマは吉越社長が用意したもので、それを即興的に取り上げ、担当者に矢継ぎ早に質問を浴びせていく。問題点は明確になるまで執拗に問い詰め、仕事の「デッドライン」を明確に引く。容赦ない叱りの言葉も飛ぶ。1時間半の間に、40ものテーマが決着をみる。 一見、トップダウンによる整然とした会議にも見えるが、開発と営業が対立したり、担当者が反論して食い下がったりなど、じつに活発である。そのプロセスが意思決定につながっている様子は非常に参考になる。 本書では、この会議の意義や効果を、4人の管理職と吉越社長へのインタビューからも検証している。社員がデッドラインを守って早めに仕事をする、経営がスピードアップする、トップと意識や情報が共有できる、部門間の壁がなくなる、社員教育になるなど、さまざまな指摘があり、吉越社長はそれを総括するように、会議による企業変革を語っている。 トップの手腕に負うところが多く、真似するのは難しい会議ではある。しかしこれは、だれが、何を、いつまでにやるかを明確にし、皆がそれを守るという当然のことが、果たしてできているかという厳しい問いを突きつけるだろう。(棚上 勉) |