数学ガール/フェルマーの最終定理 

数学ガール/フェルマーの最終定理


数学ガール/フェルマーの最終定理

数学ガール/フェルマーの最終定理

結城 浩

出版社:ソフトバンククリエイティブ
価格: ¥ 1,890
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数式は良い

数式は良いが、物語としての話があまり面白く無い。
今後に期待。 TAKE


背理法の切れ味が心地よい

前作「数学ガール」の続き。副題に「フェルマーの最終定理」とあるように、出てくる話題ことごとくがフェルマーの最終定理を想起させるものとなっている。この点、ミルカさんの口を借りて「最近は趣味に走りすぎじゃないか?」と自分で突っ込んでいる。
 本作では数学初心者として中学生のいとこユーリが登場する。理解の覚束ない読者の疑問をぶつける役目だ。ただし、中学生にしては数学を理解しすぎている。知識がないというだけで数学的手法を修得しているという印象さえも受ける。そうでもしないと、ストーリーが進まないという裏事情もあるだろう。また、ガウス並の能力を誇るミルカさんの前では、その才能はかすんで見えるため、むしろバランスはとれている。
 今回、最終的にフェルマーの最終定理の証明を説明する。多分、完全な説明にはなっていないと思う。・・・・「多分」とか「思う」とかいうのは、僕自身大雑把にしか把握できなかったため。
 数学の研究は「役に立つのか?」という疑問には応えない。好きだから、楽しいからやる、という動機が最初にあって、後の時代に実利が付いてくるという面がある。そういった数学の純粋な性格を後押ししているように感じた。
 数学をこねくり回すことで楽しみを覚えた経験のある方には間違いなくお勧めできる。 高見


少女たちの存在は本質的でない?

ライトノベルの体裁だが、少女たちの存在は本質的でない。こう仮定して、その他の点に本
書の魅力を探してみよう。

ページをめくる快感。本を読むのは楽しいが、思うようにページを繰ることができないのは
悲しい。一般に数学書では、ページをどんどんめくって次の展開を味わうことはできない。
定義をノートに書いて確かめ、定理の条件を吟味し、証明の細部を自分の手で確認すること
が数学書を読むことだからである。その点、本書はどんどんページをめくっていくことがで
き、大部な本を読破する楽しみを味わうことができる。余白の効果や捨てカットの効果が十
分に活かされている。

思考の過程の追体験。数学の面白さは、実は建築過程にある。拙くても自力でそれを味わっ
たことのある者は、数学の魅力から離れられなくなる。ただ、完成した数学においては、足場
を残さないのがマナーとされているため、実例を計算したり反例を探してみたりする「現場」
の様子はなかなかわからないのが常だ。本書は、数学を作っていく過程を模擬体験できる類書
にない味わいを持っている。

背理法をめぐって。本書を読んで気づいたことだが、背理法というのは、本質的に無限を含
んでいる。ルート2が無理数であることを証明する(92ページ)。まずはじめに、ルート
2=b/aをみたす整数a,bが存在すると仮定する。これは、無限個の整数a,bを一望し
て(一望できたとして)、その中からルート2=b/aをみたす一組を見つけたということ
だ。そこに否定という媒介項を持ってくることにより、命題を証明する。無限を扱うこと、
そして否定という媒介項。実にユダヤ的な思考法だ(と思える)。

前言撤回。いや、やはり少女たちの存在が重要だ。同じ数学の展開であっても、数学ボーイ
だったら、こんなにサクサク読むことはできない。しかも現実離れした名前であることがカ
ギになっている。ユーリ、テトラちゃん、ミルカさん。これらの名前が、山室愛、斉藤雅子
ちゃん、野木綾香さんだったら、本書は成立しない。十代の少女たちが物語る数学。こんな
際物(失礼!)と思っていましたが、考え直しました。数学への憧れの本質を衝いているの
かもしれません。
gg2


安易ではない、誠実な作品。良書。

結城 浩には、品がある。本書でも氏の品がにじみ出ている。

筆者の他の書籍では、
主にプログラミング言語の啓蒙書らで知っていたが、
それら書籍でも、誠実にひとつひとつ丁寧に内容を噛んで含めるように、
そして諭すようにちょっとずつ解説していく様子が非常に好感が持てた。

そうして、読者を決して置いてけぼりにしない。
わかりやすいが、内容自体は、決して簡単ではない。

そうした態度が本書でも貫かれている。
本書を読む前と後とでは、数式に態度がめっきり変わっている自分に気づく。

「数式」を前に、
わからない、なんだか難しそう、という、先入観で捉える前に、
ひとつひとつ実直に、まずは、数式を読んでみよう、と思える。

正直、主人公と女生徒とのやり取りの「萌え」部分については、
免疫が無いせいか、かなり面食らって、「(このやりとりは)果たして必要か」
という気にもなったが、
本書を読み進める上で、スパイス、というか甘みとなっているのは確かだろう。
(この甘味がなければ、より無味乾燥であったかもしれない。
 そういう意味で、本書にはふさわしい味付けだったろう。
 筆者の品の良さがあるので、読めないほどの甘ったるさでもない。)

本書を誰に勧めるか、という問いがあったとすれば、
中学生、高校生、あるいは、数学嫌いの社会人、と
幅広い層が思い浮かぶ。
一見中高生向けとも言える外観ながら、読んでみると読者の層を限定しない、
けれど「教育」書として極めて秀逸の作品といえると思う。

(念のため言うと、読み物としても、当然十分なクオリティがある。)

ひっくるめて言うと、本書は、
安易ではない、非常に誠実な態度で書かれた文書であり、
誰にとっても読む価値が多い書だと思う。
アマゾン太郎


「数楽(すうがく)」に萌え、3人の女子(ミルカ、テトラ、ユーリ)に萌える

2晩で一気に読みました(2時間×2=4時間程度)。このような数学の題材を一気に読ませる著者の筆力に脱帽します。女の子たちの言動にドキドキ・ワクワクしながら、"フェルマーの最終定理"に関係する数学の"肝"が自然に分かるようになっています。(フェルマーの最終定理の証明に関する詳細は"軽やかにスキップ"されていますが、証明の道具立て・論理構成は分かる仕組みになっています) 女の子たちにも数学にも萌える主人公("僕")に感情移入しました。「大学への数学」レベルの数学に興味のある読者(高校生以上)なら楽しく読めます。前著(数学ガール)を読んでなくとも読めるように構成されています。時折出てくる難しい言葉に戸惑うかもしれませんが、"ユーリ"や"テトラ"がその読者の戸惑いを代弁し、主人公やミルカさんがその疑問に上手く答えていますので、ご安心を。読み終えると、代数(数式)と幾何(図形)の架け橋が頭の中に掛っていることにお気づきになることでしょう。数学って楽しい("数楽")ですね。(^-^)v
主人公がテトラに数学を教えている様子を読むと、自分が高校生の時に同級生(女子)に数学を教えていた時のことを思い出し、ページをめくる毎に甘酸っぱい青春時代の思い出がフツフツと湧き上がってくる思いでした。「○○クン、どうしてこんなこと思いつくの?」と本書のテトラ/ユーリのような質問をよく投げかけられたものです。本書のような「発見的議論」をうまく説明できていたらなぁ、と思いました。そんな「発見的議論」の圧巻は「三辺が自然数で面積が平方数である直角三角形はあるか?」〜「x^4+y^4=z^4となる自然数解は存在しない(フェルマーの最終定理のn=4の場合)」の処です。無限降下法、読み応えアリです。ここで使う式変形を"分子→原子→素粒子→クォーク"で例えるセンスも素敵です。φ(._.)メモ^2 ゴルゴ十三


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